親からの連絡は全て無視した。
年末年始も帰らなかった。
当然、姉の子どもが生まれたという連絡にも、何も反応しなかった。
ひたすら、自分のやりたいことをやった。
今までやったことのないような、普通の女の子が楽しむようなことを。
誰にも遠慮しなくていい。
誰の機嫌もうかがわなくていい。
たったそれだけのことが、こんなに幸せだということに始めて気づいた。
あの時の経験は、今思うとかなり破天荒だったけれど、私にとってはきっと必要だった。
それまでは、自由を求めながらも、心のどこかで、家に、親に、姉に対しても、悪いことをしているのだというある種の申し訳なさ、罪悪感を感じていた。
人に嫌な感情を持たせてしまっている自分は、ダメな存在だ。
そんな人間に、自由を感じる権利はない。
好きなことをする資格はない。
そう決めつけていた。
でも、本当に初めて、私にも自由があっていいんだ、とあの経験で感じることができたのだ。
とはいえ私の根本には、やはり
人に負の感情を持たせてはいけない。
人に認められない限り、自分はダメな存在だ。
完璧にできない自分に自由や楽はあってはならない。
という意識が植え付けられているようで、それが鬱病の発症につながっているのは事実だと思う。
いわゆる自己肯定感というのが低いのだろう。
そして異常なまでの完璧主義。
「そのままでいい」「全部じゃなくていい」「ある程度でいい」「それなりでいい」が分からないし、できない。
自分の性格というのは、本当に難しい。