12月

 

今朝もまた電車が遅れている。

 

12月に入ってから、定刻どおりに来る電車が減っているような気がする。

 

「お客様と接触」というアナウンスもよく聞く。

きっとほとんどが偶発的な、ほんの少しの接触なのだろうが、もしかしたら…と思ってしまうのは、自分の中にもそういうことを考えてしまうときがあるからだろうか。

 

今では少なくなったが、駅を通過する特急列車や、猛スピードで道を走って行く大型トラックを見ていて、「ああ、あれにぶつかったらひとたまりもないだろうな」と、気づけばぼんやり想像している自分がいる。

 

ビルの屋上を見上げて、「あれくらいの高さから落ちたらケガくらいで済んでしまうのかな」とか、「落ちるときは全てがスローモーションに見えるとか言うけど、本当なのかな」とか考えている自分がいる。

 

たぶん普段の状況くらいの私なら、そのようなことは実行しない。

というか、できない。

すべてを終わらせる勇気がない。

 

でも、日々波打つ心のバイオリズムが底辺にあるとき、何かのきっかけで衝動的に、と少しでも可能性が浮かんでしまうのは、そして、そのイメージが以前よりどんどん鮮明になってきているのは、やはりこの病気のせいなのだろうか。